社員をすぐ否定しない。信頼関係と共感が大事です。
人は物事を判断する時は、『正しい、正しくない』ではなく『感情』で判断しています。
正しい事を言っているにもかかわらず、相手から逆切れされたり嫌な顔をされたりとそのような経験は誰しも1度や2度はあると思います。
職場で社員が勝手な行動をして得意先に迷惑をかけて、注意したら逆切れされた。
社員が教えたとおりに仕事をしてくれなくて、指導したら逆に嫌な顔をされた。
など様々です。
ではなぜそのような事になってしまうのかお話ししていきます。
社員をすぐ否定しない。信頼関係と共感が大事!
理由は主に以下の3つです
- 相手との信頼関係が構築されていない
- 相手は共感を求めている
- そもそも自分の常識が間違っているかも
1.相手との信頼関係が構築されていない
例えば普段から何も声をかけられず、助けてももらえず、アドバイスも何もない、責任を社員に丸投げする。
そのような上司がいたとします。
もしその上司が自分がミスをした時、急に感情的になって怒ってきたらどうなるでしょう?
きっとあなたは心の中で『言い訳や嫌悪感』しか抱かず、口先だけの謝罪になってしまうに違いありません。
『うるせーな!いつも暇そうなお前に言われたかねー!・昨日夜中までかかって終わらせた案件なのに、お前は先に定時で帰ったじゃねーか!』
のように思っています。
このような事になれば社員はモチベーションを下げ、心から反省せず同じような事を繰り返すでしょう。
挙句の果てには上司が原因で退職していくかもしれません。
ですが普段から気にかけてくれる上司、ミスをしても責任を取ってくれる上司、やる気を起こしてくれる上司から叱責されるとどうでしょう。
きっと社員はその後心を入れ替えて業務にあたることは間違いありません。
信頼関係が構築されていない状態で社員を叱責することは、逆に状況を悪い方向にもっていくばかりです。
社員も人間です。
感情があります。
普段からよく社員を観察して、良い面・悪い面を良く認識しておいて一人一人指導のやり方を考えてあげなくてはいけません。
2.相手は共感を求めている
例えば社員が書類のミスで手直しが必要となったとします。
何も考えていない上司は『○○が間違えているから今日の午前中までに訂正して!』
と言うでしょう。
しかし社員の心の中では
『なんだよ!あんたが急いで仕上げてくれって言うからやってやったのにその言い方は!・徹夜して仕上げたのにもっと言い方があるだろ!』
と『何もかもを否定された』と思っています。
上司は決して間違ったことは言ってはいません。
しかし社員は『頑張って短期時間で書類を仕上げた事』に対してのプロセスを認めてもらいたいんです。
ここで上司がかけるべき言葉は
『短期間で仕上げてくれて感謝しているよ!助かったよ!できればあとここを午前中に訂正してくれたら完璧だよ。・徹夜で作業してくれてありがとう!流石○○君だね!ここだけ午前中に訂正してもらえると助かるよ。』
と言われるとどうでしょう。
社員はきっと気持ちよく訂正を引き受けるでしょう。
社員も頑張って仕事をしています。
たとえミスをしても上司は社員の気持ちになって、否定をせず仕事のプロセスを認めてあげましょう。
3.そもそも自分の常識が間違っているかも
社員は全員上司とは価値観が違います。
生きてきた環境・食べてきたもの・親・友達・受けてきた教育などすべてが違います。
すなわち考え方もそれらから構築されてきたと言っても過言ではありません。
ほとんどの社員は言われた通り案件をこなせても、一部の社員がこなせないのはその価値観の違いから来ているかもしれません。
そのことを理解していない感情的な上司は、案件のこなせない社員に対して自分の価値観を当てはめるため、『なぜお前は出来ないんだ?ほかの社員は出来ているのに!』と考えるでしょう。
そこで説教を長々と続けても、価値観そのものが違うため改善するのは難しいでしょう。
自分の価値観(常識)が全て相手に通用するとは限りません。
上司がまずやらなくてはいけないことは、『社員が何ができないのか?どこが間違っているのか?どこが理解できないのか?』決して感情的にならず徹底的に原因を追究することです。
時間はかかるかもしれませんが、上司もそのように対応していればそのうち慣れてきます。
この社員には○○のように対応する、あの社員には▼▼のように対応しようというのが無意識にできるようになります。
最後に・・・
特に人に上に立つ上司は時間もなく、社員の話を良く聞いてあげることが出来ないと思います。
社員から何らかの相談を受けても、社員が話している間に結論を答えてしまう上司が殆どです。
知識と経験が豊富な上司は、結論や答えがすぐ頭に浮かびます。
しかし社員は話を聞いてもらいたいんです。
話を最後まで聞いてあげなかったばっかりに、社員は悩みを解決でできず路頭に迷うという事もありす。
信頼関係を構築し社員に共感し自分の常識を捨てて、全力で社員と向き合う努力をすればきっと素晴らしい上司になれるでしょう。
部下を本気にできる上司、できない上司 上村光弼 PHP研究所 2008年01月 売り上げランキング :
|