自分より年上でエラそうにしている社員には無意味にへりくだらないように
一昔前は年功序列で、会社に在籍しているだけで給料や役職が自動的に上がってきました。
しかし能力主義となった今、評価制度は大きく変わっています。
それまでは調子だったり年上だったりした人が、いきなり自分の部下になることも珍しくありません。
そんな元上司や年上部下との関わり方は多くの上司にとっての悩みのタネになっています。
・なぜ年上や元上司の部下との関係性が難しいのか?
『今月の売り上げはまずいぞ!もっと頑張って売ってこい!』
昨日まで激を飛ばしていた上司が、今日からいきなり自分の部下になることは戸惑いますし、お互い心地が良いものではないと思います。
しかし、そうした個々人同士の関係性にかかわらず組織の一員としては、全員が成果を上げることが求められます。
『会社の方針なので、新たに○○という目標を達成するように取り組んで下さい』
上司として元上司である社員に指示や命令を出したとします。
こちらとしては、『仕事なんだし能力もあるんだから会社のためにも頑張って欲しい』と思っての指示です。
しかし、社員側(元上司)にしてみたらどうでしょう?
『確かに部下になったけど、人生ではこちらは先輩だぞ!偉そうに言いやがって!誰か仕事を教えてやったと思ってるんだ!』
こうした不平不満がたまっていくと、当人が『会社や上司のために頑張る』という意識はどんどんなくなってしまうことでしょう。
・尊敬の念を抱いていることを伝えましょう
年上の部下、元上司は経験が豊富であり、十分なスキルや知識を持った人が多くいます。
それまでは会社や自分の部下のために一生懸命になって貢献してきた人も少なくありません。
本来はどんな役職になったとしても、仕事で成果を残したいのは正直な気持ちでしょう。
ただ元部下だった上司になった人間との関係で『心地よく仕事ができない』といったことが一番の壁になってしまうのです。
ですから、まずあなたとの関係を良好なものにすることが大切です。
そのために効果的なのは、あなたに尊敬の念を抱いているということを常に耐え続けることです 。
自分を尊敬してくれている人を応援しない人はほとんどいません。
『あなたのことをとても頼っている!』ということを感じてもらうために、次のような伝え方をするといいでしょう。
『新たな目標を達成するために、ぜひ○○さんのアドバイスをいただけませんか?』
アドバイスが欲しいというのは相手をたてたり頼ったりする言い方です。
自分を頼られて悪い気がする人はいません。
『こいつは俺のことを頼っているな。まあそれならアドバイスしているか』
部下はこう感じ始めます。
上司であるあなたはそのアドバイスを受けながら、次のように伝えていきましょう。
『なるほど、よくわかりました。では先ほどアドバイスして頂いたこの部分の目標は○○さんに取り組んでもらっていいですか?』
『まぁ、そこまで言うんなら仕方ないな。こいつのために頑張ってやろうか』
部下の心の中にこのような意識が働き心地よく動いてくれるようになるでしょう。
・それでも動いてくれないときは第三者の力を借りましょう
それでも心を閉ざして、心地よく動いてくれない年上や元上司の部下もいるでしょう。
こうした場合、第三者の力を借りていることで対応していきます。
人は相手から直接的に『○○さんは本当に仕事ができるよね』と褒められると嬉しく感じます。
しかし、それ以上に嬉しく感じるのが、間接的に自分の良い評価を聞くことです。
『○○さんは本当に仕事の進め方が素晴らしいそうですね。▲▲さんがこの前、(○○さんのことをとても尊敬している)って食事中に話ししてましたよ!』
などと言われて気分悪くなる人はまずいません。
実際にこれを行うためには、その年上や元上司の部下との関わりのある人物を常に観察しその人と意図的に会話を持ちながら、年上部下の良い部分を頻繁に語るようにします。
こうすることで、必ずなにかしらのタイミングで『あの上司があなたのことを尊敬している』という話が伝わることでしょう。
直接には部下を尊敬していると言いにくくても、こうすれば間接的にうまく伝えることが可能になります。
その結果、年上や元上司の部下も心地よく動いてくれるようになるでしょう。
×:『新たに○○という目標を達成するに取り組んでください』
年上の部下にとっては、年下の人間から一方的な指示命令を受けることは気持ちのいいものではありません。
さらに、心の中では抵抗や反発が生まれ、モチベーションも下がってしまうでしょう。
○:『目標達成するためにアドバイスをいただけませんか?』
年上の部下と心地よく仕事をするためにも『あなたに尊敬の念を抱いている』ということを様々な形で伝えましょう。
自分のことを尊敬している人間のことを応援しない人いません。