とらえにブログ

生き方・人間関係・人材育成・ダイエットで悩んでいる方へ

 話がよく伝わってこない社員には具体的な聞き方をしましょう

 顧客のニーズがどんどん高くなり環境変化が早くなっています。

 

 企業はお客様や市場に合わせて関係や重要業務の方向性を途中で変更することも珍しくありません。

 

 そんな中上司は部下との迅速で確実な情報共有を元に、リーダーとして正確な判断やマネジメントを行うことが求められています。

 

 ところが部下の言っていることがよくわからず、正しい情報のやり取りがされないことがあります。

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 ・本当は社員も『正しい伝え方』がわかっている

 

 企業の新入社員研修では『部下から上司への情報伝達の行い方』というテーマがあります。

 

 研修で実際に新入社員は正確な情報共有の行い方を練習習得しており、この研究の目的や会社側の求める内容通りに実践することができています。

 

 『今回の結果に関してのポイントは三つで、一つは○○です。 二つ目は▲▲です。最後に三つ目は◆◆です。ここでまず一つ目から紹介しますと・・・』というように理路整然と分かりやすく情報を伝える方法を習得し、それを踏まえて実際に職場へと入っていきます。

 

 ところがいざ職場に行くとせっかく新入社員の研修でマスターした理論どおりでわかりやすい情報共有の方法が、上司との間ではうまく機能していないという現実に直面するケースが多いと思います。

 

一体なぜなのでしょうか?

 

・社員は『共感』を求めてくる

  上司が社員に求めている話の内容は仕事の結果や進捗といった業務そのものの内容です。

 

もちろん社員は新入社員研修でもそのことは十分に学んで習得していますし、頭の中ではわかっています。

 

 ところが報告する部下の頭の中 では、事実情報と意見の区別整理ができていないという問題が発生しています。

 

 上司が社員に一番求めていることは事実と情報です。

 

 ところが社員が一番気にしているのは上司や会社側からの評価であり共感なのです。

「共感」の画像検索結果

 そうなると当然のことながら、社員の話の中には『私はこんなに頑張った!こんなに私は他人の人よりも大変な思いをしている!』という社員自身の意見や気持ちが優先されてしまうので、社員にとっての最重要事項が自分自身が話をしている内容が事実か情報なのか、自分の意見気持ちなのか頭の中で区別や整理ができなくなってしまうということです。

 

 例

社員:『先日なんとか アポイントを取って○○さんにお会いしてきたんです。』

 

上司:『それで?』

 

社員:『本当はその日は他の重要なお客様である▲▲さんのアポイントが入っていたのですが、○○さんには▲▲さんには何とか無理にお願いをしてそちらのアポイントはずらしてもらいました。そしてそこで○○さんと2時間ほどじっくりと当社の製品に関することをお伝えしたんです。』

 

上司:『それで?』

 

社員:『それと○○さんから四つの質問返ってきました。そして・・・』

 

上司:『だから結局○○さんなんて言ってたんだ?』

 

社員:『いや今はまだライバルメーカーを使い続けているようで・・・。』

 

上司:『早くそれを言え!』

 

 

こうなるのが通常です。

 

この場合上司の求めている話の内容と社員のしたい話の内容は完全にずれています。

 

こうした状態が続くと上司と社員の信頼関係に影響が出てくることは言うまでもありません。

 

・こちらが知りたい内容を具体的に尋ねましょう

 

 上司が社員に対して 『もっと分かりやすく言え!何を言いたいのかがわからないよ!』と言ったとしても、一生懸命に報告をしている部下にとっては注意されされた意味すら理解できないことになります。

 

 社員は『なんだかその日の気分で判断されているようでたまったものじゃない』、などと考え始めるようになり関係がギクシャクして行きます。

 

 そこで社員との情報共有の際には意見や気持ちではなく事実・情報を伝えてもらうために『相手先は何と言ってたの?相手先の状況と進捗を教えてほしい!』というように上司として求めていることを具体的に訪ねることが大切です。

 

 ・話が長くなってしまう社員には『要約』してあげましょう

 

 事実情報だけを伝えてほしいとお願いしても、どうしても話が長くなってしまう社員もいます。

 

 この場合話を要約してあげることで社員側が抱いている話に対する意識を変えていくことで対処して いきます。

 

 人の心の 中には誰でも『自分の話を聞いてほしい』という願望があります。 

 

 自分の話を遮られた瞬間モチベーションは一気に下がってしまう人もいます。

 

 こうした状況が続くとこの人に言っても嫌な思いをするだけだという認識が生まれてしまい、正しい情報を迅速に伝えてもらえなくなることがあります。

 

 この場合は多少時間がかかっても最後まで話を聞いてから、『今の話をまとめると二つのポイントでいいかな?一つは○○でもう一つが▲▲ということだよね?』と短く要約してあげます。

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 社員もやがて『自分の話はそういうふうに短くまとめるのが、上司が求めている事なのか』ということに気づきます。

 

そして『情報共はそこが大切なんだ』と感じることで意識を変えてもらうことが可能になっていきます。

 

 

×:もっとわかりやすく言え!

 

上司が社員に求めているのは『結果』ですが、社員は自分の意見に対する上司からの『共感』を求めています。

 

ここでズレが生じてしまい、社員の言っていることがわからなくなります。

 

○:先方は何と言っていたの?

 

話の内容が事実・情報なのか、自分の意見なのか区別ができない社員がいます。

 

聞きたいことを具体的に尋ねることで社員の意識が事実・情報に向き、話が分かりやすくなるでしょう。