『こうします!』と言いっぱなしの社員には『なぜできてないんだ!』と責めない
『私はこの目標を達成するために、今月はこれをやり遂げます!』
社員が自ら主体的に宣言し実際に目標を達成してくれれば理想的です。
目標に向かって宣言したことを着実に実践することは、部下の成長にもつながっていきます。
宣言した社員はやりたくないわけではない
ところが、『これをやります!』という発言だけは立派で着実に実践しない社員がいます。
最初の少しだけはやるものの、その後の行動が全く伴っていないということも少なくありません。
こうなると上司として困るだけでなく、周囲からも『あいつはいつも立派なことを言うだけで結局、何もやらないじゃないか!』と 信頼を失うことになり、メンバー同士の信頼関係がおかしくなってしまいます。
上司としては放置できない大きな問題です。
社員が最初に宣言したということは、心の中では『よし!今回こそ頑張ろう!』と考えているはずです。
自分の評価を上げたい気持ちがあり、なんとか頑張ろうとします。
それが結局続かないのは、何かが壁に当たってしまっています。
その時に、上司が社員の実行しない理由を知ろうと、『なぜ自分で行ったことをやってないんだ!』という言い方をしたらどうでしょうか?
『俺だってやりたくなくてその場しのぎで言ったわけじゃないし・・・』
『そこまで言わなくてもいいんじゃないかな・・・』
社員は心の中で威圧感を感じ、反発心や抵抗感が生まれていきます。
これでは何が壁になっているのかわかりません。
さらに悪いのは反発心や抵抗感をもった社員は、モチベーションが確実にダウンしていくということです。
毎日の報告義務が社員の行動を変える
何が壁になっているのかを明らかにし、改善するためには報告義務を設けるということが必要です『毎日(毎週)目標に対しての進捗を確認しよう』と伝えていくと効果的です。
報告により、まずは『できた理由』『できなかった理由』が明確になり、上司と社員が一緒に考え、双方の改善部分が見えきます。
多くの企業研修では、研修の最後に『私はこれから3ヶ月間○○します!』と宣言してもらうことが一般的です。
しかし職場に戻り上司への報告義務がない場合、社員は 日々の忙しさに追われてしまい宣言内容をほとんど実行できないというケースをよく見聞きします。
そのため職場に戻ってからも上司に対しての自主的な報告義務を推奨します。
次に報告をすると、自分が宣言したことを実行する確率が一気に高まります。
例えば社員ができなかった理由に対して次のように報告したとします。
『今日はこういった割り込み仕事が入ってきたので時間が作れませんでした。』
こうした報告があれば、上司として社員の改善ポイントをつかむことができます。
『そうか、割り込み仕事は他のメンバーと協力して時間効率を高めていこう』
こうなるとその社員だけでなく、他のメンバーの仕事の質を高める改善につながることにもつながります。
忙しくても社員のために時間を作りましょう
報告を受けるということは当然のことながら上司も、 『社員の為に時間を作る』ということが必要になります。
プレイングマネージャーが増えているため、多くの上司が『自分に与えられた目標を達成するのも大変なのに社、員の話を聞いてる時間はないよ』と感じています。
しかし、上司として自分の社員の話を聞くことは非常に大切な仕事です。
自分のことだけをやっていたとしたら、いつまでたっても社員が思うように動いてくれることはありません。
上司として社員の話を聞くということを義務として考えてみてください。
毎日(毎週)の中で例えば、『夕方のこの時間に話をしよう』とスケジュールを決めておけばいいのです。
スケジュールを決めることで、それまでの時間を見越した仕事の進め方ができるようになります。
社員にとっても『私のために時間を取ってくれてるんだから、しっかりやらないとな!』と感じ、 積極的な行動をしやすくなります。
まずは上司自身が言ったことを守るという姿勢を見せることが、社員の有言実行にも繋がるでしょう。
×:『なぜ言ったことができてないんだ!』
宣言したことをできていないからと責めるだけでは、社員の行動を改善されません。さらに言ったことをやらない社員は周囲の信頼もなくしてしまうため、チームとしても大きな問題でしょう。
○:『毎週、目標に対しての進捗を確認しよう!』
言いっぱなしの社員には報告義務を設けましょう。
『できた理由』『できなかった理由』が明確になることで、社員自身が言ったことを実現するためのきっかけや改善につながります