【長崎 創成館高校の奥田理事長】が行った改革についてお話しします。
こんにちは、とらえにブログです。
今回は私の尊敬する経営者、長崎県にある【創成館高校の奥田理事長】の改革についてお話しします。
創成館高校は一昔前は、近所からも評判が悪い不良生徒だらけで、かつ借金もなんと80億円!という負債を抱えていました。
取引先の銀行も融資を切る予定でいたそうです。
ですが今は、大人気の『生徒が一番行きたい高校』となっています。
当時の経営者は、奥田理事長の父親でした。
ですが父親が急死され、何の準備もないまま急きょ奥田理事長が経営を引き継ぐことになりました。
その中どうやって経営を立て直したのかお話ししていきます。
【創成館高校・奥田理事長】が行った改革について
奥田理事長が行った改革は主に2つです。
- 生徒をお客様と思ってもてなす。
- 教師の生徒に対する考えを根本から改めさせる。
これらをまず最初に解説します。
生徒をお客様と思ってもてなす
当時の創成館高校は不良だらけの生徒ばかりが集まり、万引き・傷害事件・窃盗などの事件は当たり前で警察沙汰になることも珍しくありませんでした。
そんな生徒ばかりですから、勿論校則なんて守りません。
そんな中、素行の悪い生徒を教師が正座をさせて説教します。
一般常識から考えて、教師が生徒を説教するのは当たり前です。
しかし、奥田理事長は違いました。
説教している光景を目の当たりにした奥田理事長は、生徒への説教が終了した後、教師を理事長室に呼びつけます。
呼ばれた教師は理事長より予想だにしない一言を浴びせられます。
『何考えてんだ!お前は。いいか!生徒はお客様なんだ!生徒を喜ばせろ!お前の給料は誰から支払われているんだ!生徒のお母さんだろ!サービスせんか!』
そう言われた教師は
『何考えてんだ?この人。あんな不良喜ばしてどうするんだ?』
と疑問を持ち始めます。
ですが奥田理事長は確固たる信念で
【学校は教育業じゃない!サービス業だ!】
と譲らなかったそうです。
その後、奥田理事長の考えについていく教師と、ついていかない教師の二手に分かれてしまい、ついていかない教師は辞めていったそうです。
ですが奥田理事長は、『そんな考えの教師は不要だから、去ってもらって結構』しかも経営が赤字だから内心『ラッキー(*^-^*)』と思っていたそうです。
教師の生徒に対する考えを根本から改めさせる
次に行った改革は教師の改革です。
具体的には生徒を四六時中付け回して、生徒が少しでも良い行動をしたら褒めてあげようというものです。
例えば、学校が終わって帰宅中の生徒が街に出て悪さをします。
その後を複数人の教師が後をつけていって、生徒の行動を観察します。
いつもの通り生徒は悪さをしますが、そんな中でもたまに良い行動をとります。
- おばあちゃんの荷物を持ってあげた
- 空き缶を拾ってごみ箱に捨てた
- 仲間が困っているときに助けた
- 道案内をしてあげた
など些細な良い事をした途端、それを見ていた教師がズラーっと並んで、
『こんなことするなんてお前、いい奴だな!』
というような声を掛けます。
そして教師は去っていき、再び生徒の観察をします。
それを繰り返した結果
見事徐々に教師と生徒の距離が近くなり、奥田理事長は不良たちの親玉になっていきます(笑)。
生徒から『おー!校長!』と声までかけられる人気者になってしまいます。
そして現在は80憶円あった借金も全て完済し、今では高額の私立高校であるにもかかわらず長崎でNO1の人気高校となりました。
今でも奥田理事長と生徒の距離は近く、お昼休みともなると理事長室に生徒が恋愛相談までしてくるそうです( ゚Д゚)
ですが、奥田理事長は【学校はサービス業】という概念を今でも無くしていないため、生徒の相談を快く聞いてあげています。
生徒:『校長!今私が付き合っているバスケ部の健司(仮名)ってホント最低なんすよ!あいつ二股かけていてさー!』
奥田理事長:『まじか!そんな奴とは別れてしまえ!もっといい男がいっぱいいるぞ!』
こんな会話が繰り広げられているそうです(笑)
現在の創成館高校はどうなっているのか
現在は創成館高校は人気もあるため、資金も豊富にあります。
そのおかげで設備投資も積極的にでき、充実した教育もうけられるそうです。
サービス業の精神もあるので、遠距離から通う生徒のためにトイレ付きの豪華なリムジンバスを数十台奥田理事長自ら購入し、生徒は不自由なく通学ができ通学中に勉強をしたりもできるそうです。
学校説明会が特に人気があるそうで、普通の高校なら校長先生が受験する生徒の前でスーツを着てお堅い話をしますが、創成館高校は違います。
奥田理事長含めて教師がお笑い芸人やアニメのキャラクターの格好をして、舞台の上で創成館高校のアピールをします。
教師だけでなく在校生も全員参加して、受験する生徒のおもてなしをします。
『絶対、創成館高校に来てねー!カレー50円で食べられるのうちだけだよー!必ず帰ってきてねー』
と帰り際にみんなで送り出します。
奥田理事長も自ら
『おーい!ちゃんとツイッターでつぶやけよー!うちの高校を有名にするのは君たちの役目だからなー!』
と受験する生徒に言うそうです(笑)
そしてなんと!その学校説明会には卒業生の親御さんも多数出席されていて、理由は『奥田理事長のおかげで息子・娘が良い方向に変わって感謝しているから少しでも恩返しをしたい。』ということだそうです。
最後に
奥田理事長はある意味、普通とは違うやり方で経営を立て直しました。
この改革を明日からしてくださいと言っても、たいていの人は実行できないと思います。
ですが根底にあるのは”腐ったミカンは存在しない”とい事です。
※腐ったミカン:1980年代に放送された【3年B組金八先生】というドラマで流行語大賞まで取ったワードです。
ミカン箱の中に腐ったミカンが1つでもあると、全てのミカンが腐ってしまうことからできたワードです。
『生徒の中に不良が一人でもいると、生徒全員が不良になってしまう』という意味です。
どんな不良でも認めてあげれば更生するんです。
『腐ったミカン』はあなた自身の中から作りだされるものなんです。
もしあなたの組織の中に『こいつは困った奴だ!でもなんとかしてあげたい。』と思う人がいれば、根気強く改善の方法を探してあげましょう。
そして、決して感情まかせに怒りをぶつけてはいけません。
もし感情任せに指導をすると、相手もヒートアップしてこちらが上げ足を取られたり、逆切れをされかねません。
そうなると改善どころか、あなたとの関係は悪くなるばかりです。
古い言葉ですが、【相手を変えたければ、まずあなたが変わりましょう】。
相手も人間なので、あなたが変われば相手の人もきっとそれを察して変わる努力をしてくれるはずです。
※奥田理事長の隣の人は私の尊敬する講演家【鴨頭嘉人さん】です。
今回の記事は鴨頭さんの講演を参考にさせていただいています。
奥田理事長がどうやって学校の経営を立て直したかそのエピソードとノウハウについて書かれた著書を紹介いたします↓